頭の中の日本語

試運転中

クリシュナムルティ

このところすっかりハマって読んでいます。

以前、クリシュナムルティが大好きなお友達から「しなやかに生きるために―若い女性への手紙」という本を借りて読みました。

しなやかに生きるために―若い女性への手紙

しなやかに生きるために―若い女性への手紙

 

 

書いてあることは素晴らしいと思ったが、ほぼ全て忘れてしまいました。あまりにも当たり前のことが書いてあるように思って、「これだとクリシュナムルティがどんな人なのかわからない!もう少し人柄が見えるものを貸してくれ〜」といったところ、数年かかって(彼女の本の整理はバリ島に越して何年も終わらない・・・)「私は何も信じない―クリシュナムルティ対談集」という本を借してくれました。

 

私は何も信じない――クリシュナムルティ対談集

私は何も信じない――クリシュナムルティ対談集

 

 

最初に読んだ時はクリシュナムルティがどんな人なのかイメージしきれなくて、この人、沢山質問ばかりするので、どんな口調で話しているのかわからないし、質問攻めでなんか辛いかも!!というのが、最初の印象。頭の中で井上陽水の「夢の中へ」の歌詞がぐるぐる廻る。何を言わんとしているのか、その言葉が入ってこない。見えない。

最初の読書の後、色んな人のブログ記事を読んだりしましたが、その魅力が掴みきれず。クリシュナムルティのプライベートのスキャンダルの記事なども読んで、色々疑う。

でも、これは私が理解してからでないと、判断は出来ないだろうと思い、まずクリシュナムルティがどんな風に話しているのか、何を言おうとしているのか、それを知らないとダメかもと思いYOUTUBEを探しました。

その時に見たのがこの動画です。日本語字幕付きがとても嬉しい!!


「瞑想をする前に」~クリシュナムルティ

 

うわー、凄いラジカルです!!この人は物事を飛躍させない。一つ一つ丁寧にまず、「今、自分がその場所にいる」理由を問うのですね。その人から一番近いところから入っていって、理論的に「瞑想に必要ないもの」を導き出したときの嬉しそうな顔がなんとも可愛い。まるで遠足前の子供のようです(「お菓子は300円までです!」と字幕をつけたくなる)。この動画を見て、ようやくクリシュナムルティが読めるようになりました。そして、この人のプライベートの問題は気にならなくなりました。それはこの人が一生かけてした仕事と少し分けて考えたほうが良いと思う。大切なことを伝えることが仕事で、自分も含め、全ての人がそれが出来るようになることを目標としていたからだと思うのです。私の大好きな西式甲田療法の甲田先生も一生をかけて健康な人が増える努力をしましたが、その療法がどれほど難しいか、本人もよくわかっていたので、自分のような凡人がこれ(西式甲田療法)をするのは大変なことだとおっしゃっていました。でも、人を幸せや健康にするために伝えなければならないことがあったら、それを一生の仕事とするのは誠実な態度だと思います。

 

このビデオでは、瞑想しようとしている人が求めそうなものを瞑想の前にはっきりさせています。つまり何かを求めて瞑想をする場合は、その求めているものは瞑想とは別にして探しましょうと言うことです。 

でも、この瞑想を始める準備はそう簡単なことではないかもしれません。

このお話を聴いて、養老孟司先生の「挨拶ができなかった理由」を思い出しました。

 

自分は死なないと思っているヒトへ―知の毒 (だいわ文庫)

自分は死なないと思っているヒトへ―知の毒 (だいわ文庫)

 

 

養老先生は小さい頃にお父さんを亡くします。その後、人に挨拶をするのがとても苦手だったそうですが、40近い頃にそのわけに気が付きます。挨拶をするのが苦手だったのは父親の臨終の際に「さよなら」が言えなかったことと関係するのではないかと。父親にさよならの挨拶ができなかったのに他人にするわけにはいかない。しかし、それでは説明不足でした。そして更に10年ほど経過し、ある日父にさよならを言わなかったのは、4歳の子供が出来る父の死に対する唯一の抵抗で、それによって心のなかの父は「今でも生きている」ということに気がついたそうです。そこで、父にさよならをした瞬間に父は死んでしまうので、その死を避けるために挨拶にこだわっていたと。それに気がついた時に、「私の中の父は死んだ」と思い、涙がさっと出ていたそうです。

 

養老先生は挨拶が出来ない理由を探すことで、「父」を探していたように思います。心のどこかに挨拶をしなかったお父さんは生きているので、常に自分に影響を与えているのですが、生きていることすら気がついていないので、何が自分に挨拶が出来ないようにしているのかがずっと分からなかったのです。私も似たような経験があるので養老先生の話を読んで、本当にしみじみとしてしまいました(いつか自分の経験もブログで書きたいです)。

 

クリシュナムルティに戻ります。

そんな訳で、今はクリシュナムルティの言葉が、やっと読めるようになったので、只今2回目の読書中。最初に読んだときとぜんぜん違う〜(涙)。この本「私は何も信じない」は対談集なのですが、余計なおしゃべりに話が逸れそうになると、速攻元に話を戻したり、対談者と出来る限り必要なことを話さなければ!という態度が真摯です。

人は色々な問題を抱えて生きていますが、その問題を明確にすることはとても大事なことだと思います。なぜなら悩んでいる時というのはその問題が明確でないからです。問題がわかったら、あとはどうしたら問題が解けるようになるのか、それに向かって一直線です。そこには物理的な苦労はあるかもしれないけど、心を悩ませるものはないからです。

(追記:最後の部分は言い過ぎました。悩みはカビみたいに、ちょっとでも隙があれば、すぐに生えてくるなー)