頭の中の日本語

試運転中

戸川純さんの言葉が胸にしみる

ツイッターリツイートされていて知り、戸川純ちゃん(タイトルは「さん」にしていますが、私にとっては「純ちゃん」なのです)のインタビューを読みました。

www.cinra.net

読んでいて、この人の誠実さ、ひたむきさが胸にしみて、生きている切なさ素晴らしさを噛みしめるような、なんとも言えない気持ちになりました。

純ちゃんは自分について書かれた他人のブログとかを読むことがあるのだろうか?もしそんなことがあるなら、私も今までの人生の中でおりあるごとに触れてきた純ちゃんの歌によって「救われてきた」と伝えたいな。

 

純ちゃんの歌との出会いは小学校6年生のときだったと思います。お友達のお姉さんがアルバム「玉姫様」のダビングテープを持っていたのがきっかけでした。今まで聴いてきた音楽とは全然違う歌の面白さに惹かれてそれをダビングさせてもらいました。

それまでは普通に当時のスター達、中森明菜やジャニーズの曲やチェッカーズなどを聴いていました。チェッカーズは大好きだったけど、ジャニーズは皆に合わせて無理をしている自分にどこか気がついていて、でも話を合わせるために必死だったように覚えています。

小学校高学年の女の子の心の中で「生理の始まり」は一大事だった。私は少し早く生理が始まり、それをどんな風に自分の心の中で位置づけたらいいのか分からないまま、悩ましいものとしていました。そんな時に「玉姫様」を聴いたのです。この歌は生理のことを「発作」とよんでいて、それによって女の子は怪物みたいになってしまう。

面白い面白い!!と私は無邪気に喜びました。続けて純ちゃんは、その状態を「神秘」と歌います。それには何か不思議な、理解を超えた、清いものを感じさせてくれたのです。私の「生理」は悩ましいものから、冒険的な、強さを感じさせてくれるものに変わりました。


戸川純 玉姫様

それを機に戸川純ちゃんの世界にすっかりハマっていきます。

アルバム「玉姫様」のダビングテープは、テープがのびるほど聴きました。「怒涛の恋愛」や「諦念プシガンガ」や「蛹化の女」も大好きでした。そういった曲を聴いて、まだ夢見るだけの「恋愛」が私に何をもたらすのか思いにふけりました。

お小遣いを貯めて、その頃、純ちゃんが出した「戸川純の気持ち」という本も買って、当時、自分のバイブルのように何度も読み返しました。

戸川純の気持ち

戸川純の気持ち

 

 

この本を通して、バタイユの本、クリムトの絵、ピストルズなど色んな事を知りました。「漠然とした不安」という言葉もこの本から知って、学校の作文で伝えきれない不安感を表現するときなんかに使っていました(苦笑)。早速ピストルズを貸しレコード屋さんに借りに行き、「SEX」と大きく書かれたレコード・ジャケットを借りる時の全身が真っ赤になるような気持なんかも思い出します。

そんな感じで、他のミュージシャンの色んな音楽を聴きながらも、その後も純ちゃんの歌や言葉と共に過ごしていました。このビデオとかも好きだったなぁ。

ヤプーズ計画 LIVE&CLIP+2 [DVD]

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ゲルニカももちろん。

改造への躍動~特別拡大版~

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 純ちゃんの写真集を買った時は、コピーして部屋中に貼り付けました(映画「プリック・アップ」の部屋みたいにしたかった)。本はこれだったのかなぁ?(違っていたらすみません)目に包帯を巻いていた写真が好きだった。

戸川純JUNTOGAWAASONLYALUMPOFMEAT (fukkan.com)

戸川純JUNTOGAWAASONLYALUMPOFMEAT (fukkan.com)

 

 

最初に付き合った少し年上の彼氏は音楽にとても詳しく趣味が近かったので、純ちゃんの音楽との関係もすくすく育っていたのですが、そのあと、出会った途端に強烈に好きになってしまった人は、音楽がやはりすごく好きな人だったのですが、純ちゃんが好きではありませんでした。しばらくは隠れて聴いていたけど、それがきっかけでだんだんと純ちゃんの音楽から遠ざかってしまいました。私がその人に対する気持ちはまるで純ちゃんの恋愛歌のようだったのですが。

そして年月が経って、その人とも生き別れ(失踪したので)、バリ島で今の旦那に出会いました。旦那は歌う人だったので音楽は大好きですが、私が聴く音楽をひやかしたりはするけど、何を聴いているかあまり気にしない人でした。私も自然にもともと好きだった音楽も聴くようになりました。

しかしバリ島に純ちゃんの音楽も持ってきていませんし、インターネットはメールを読むのがやっとの状態で、なかなか聴く機会がありませんでした。その後、バリ島のインターネット普及で、だんだんYOUTUBEが見れる時代になります。

そして思い出したのが「赤い戦車」でした。この曲が入っている「ダイヤルYを廻せ!」の頃は、すでに前述の彼氏と付き合っていたので、あまり聴く機会は無かったのですが、なぜか猛烈にこの曲を思い出したのです。「ヒステリア」と共に。

ダイヤルYを廻せ!

ダイヤルYを廻せ!

 

そんなことで 、ときどき「赤い戦車」を聴いていました。

そして、日本に用事で一人で帰っている時、電車の中で「赤い戦車」を聴いていたら、ある記憶が甦ったのです。旦那との喧嘩の記憶だったのですが、喧嘩という言葉にすら出来ないような、妄想のような事実無根の疑いをかけられたことを思い出しました。当の旦那ですら、どうして自分がそんな風になったのかわからないようですが、私は想像を絶する嫌な思いをしました。そして、あまりにも嫌だったので、その時の記憶を失いました。それが「赤い戦車」を聴いていたらふと甦ってきたのです。

自分が記憶を無くしていたのに驚き、その恐怖体験の記憶が甦りました。そんなことを忘れて済ましてはいかん、ということで、その日にバリ島の旦那に電話をして恨みつらみを吐き出しました。

このことから「赤い戦車」はそんな精神崩壊の境界線上に存在した歌なのだと気が付きました。例えば、私の精神が耐えられないような辛い時、そこには生と死を隔てる崖があると思うのですが、その崖っぷちから生きることを歌う純ちゃんの姿が見えるのです。

純ちゃんがインタビューで答えている通り、歌は全て純ちゃんの純粋な気持ちを通して語られるだけで、応援したりしているわけではありません。

応援出来るということは、歌っている人はすでに別の場所にいるのです。純ちゃんの歌は同じ場所にいるからこそ、他人にとってもリアルなこととして伝わってくるのだと思います。そして彼女は生きている。私も生きれるんじゃないだろうか?と彼女の歌を聴くと思うのです。


Yapoos (ヤプーズ) - 赤い戦車 (Red Tank)

 

 新しいアルバムが出ました!

わたしが鳴こうホトトギス

わたしが鳴こうホトトギス

 

 

このアルバムを出すきっかけとなったVampilliaとのコラボ


"lilac" Vampillia feat Jun Togawa(official MV) LP out in 2016

 

純ちゃん、これからも末永く歌って下さいね。

そして、歌だけではなく、演じているところや、文章も拝見できることがあったら嬉しいです。

www.ele-king.net

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私は蜷川さんのことを全然知らなかったのですが、この追悼文も純ちゃんの心からの言葉に胸がいっぱいになりました。